横町の日・横丁の日 (記念日 4月5日)

横町の日・横丁の日

上野と御徒町の間に続く高架下、約400メートルの区間に500店舗以上がひしめく「アメヤ横丁」。通称アメ横として知られるこの場所は、終戦直後の闇市を原点に持ちます。占領期に飴を売る露店が並んだ「飴屋横丁」説と、米軍放出品を扱う店が集まった「アメリカ横丁」説、二つの由来が混ざり合って今の姿になったといわれます。横丁とはそういう場所です。表通りの整然さとは違う、偶然と混沌が積み重なって生まれた生きた場所。

4月5日は「横町の日」と「横丁の日」、二つの記念日が重なります。日付は「よ(4)こ(5)ちょう」の語呂合わせ。「横町の日」は横町の温かさを大切にしようという趣旨で命名されたとされますが、制定した団体は明らかになっていません。一方「横丁の日」は、東京・南青山に本社を置く株式会社アスラボが制定し、2018年(平成30年)に日本記念日協会が認定・登録しました。

アスラボが展開する「横丁」施設は、複数の飲食店舗が集まりながらも、一つの席で全店のメニューを楽しめ、会計も一度で済むという仕組みを持ちます。飲食店を開きたい人には少額の資金での出店が可能で、地域の熱意ある起業家を支援するプラットフォームとして機能することを目的としています。横丁という空間を、食べる側と作る側の両方にとって開かれた場にしようという発想です。

吉祥寺の「ハーモニカ横丁」は、その名の通りハーモニカを横から見たような細長い路地に小さな店がびっしりと詰まった空間で、地元客と観光客が入り混じる独特の雰囲気を持ちます。札幌すすきのの「札幌ラーメン横丁」は1951年創業の老舗で、北海道各地のラーメン文化が集まる場所として全国的な知名度を誇ります。いずれも、大通りからひとつ入った小道という立地がつくり出す、独特の親密さがあります。

横丁の魅力は規模ではなく密度にあります。隣の見知らぬ客と肩が触れ合うほどの距離で同じものを食べ、店主の顔が見える場所で酒を飲む。チェーン展開できない個人の熱意が商売の形になった場所、それが横丁です。