資産形成を考える日 (記念日 4月3日)

資産形成を考える日

日本の家計金融資産は2000兆円を超えるといわれるが、そのうち現預金が占める割合は約50%にのぼる。株式や投資信託など「リスク資産」への配分は欧米と比べて著しく低く、「貯蓄から投資へ」の掛け声は何十年も繰り返されてきた。そうした背景のなか、毎年4月3日は「資産形成を考える日」として、投資の初中級者向けウェブサービス「投信1(トウシンワン)」を運営する株式会社ナビゲータープラットフォームが制定した記念日だ。

日付は「し(4)さん(3)」と読む語呂合わせに由来する。2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録された。将来の資産形成の必要性を知り、自分に合った方法を考えるきっかけにすることを目的としており、同サービスでは毎年この日に合わせて「資産形成を考えるための特集」を公開している。

近年、資産形成への関心は確実に高まっている。2024年1月に始まった新NISA(少額投資非課税制度)は、非課税枠が年間360万円・生涯1800万円に大幅拡充され、投資未経験者を含む幅広い層の口座開設を促した。金融庁の調査では、新NISA口座保有者のうち7割超が運用益を確保しているとされ、制度活用の効果が数字にも表れ始めている。一方で2025年時点のNISA口座開設率は全国平均で約25〜30%にとどまり、地域差も大きい。資産形成はまだ「一部の人のもの」という現実も残る。

投資信託の残高は2024年末時点で100兆円を超え、積立投資を活用する個人投資家の裾野は着実に広がっている。とはいえ、投資を始める際に多くの人がぶつかるのが「何から始めればいいかわからない」という壁だ。インデックスファンドとアクティブファンドの違い、分散投資の意味、リスク許容度の考え方——基本的な知識を得るだけで、資産形成の選択肢は大きく変わる。「投信1」のようなサービスが情報提供の入口として果たす役割は小さくない。同社はこのほか11月14日を「いい投資の日」とも制定しており、10月4日「投資の日」、11月23日「分散投資の日」など関連する記念日が年間を通じて設けられている。資産形成や投資に関する情報に触れる機会を日常のなかに意識的につくっていくことが、まず大切な第一歩といえる。

老後2000万円問題に象徴されるように、公的年金だけに頼る生活設計は難しくなっている。資産形成は特別な才能や大きな元手が必要なものではなく、早く始めるほど複利の恩恵を受けやすい。4月3日を機に、自分の収入・支出・リスク許容度を改めて整理し、最初の一歩を踏み出すか踏み出した歩みを振り返ってみることが、この記念日の本来の意義だろう。