世界自閉症啓発デー (記念日 4月2日)
世界に約6,200万人。127人に1人の割合で、自閉スペクトラム症のある人が暮らしているとWHOは推計しています。日本でも5歳児を対象にした調査で3.22%、つまり約30人に1人という数字が報告されており、決して珍しい状態ではありません。4月2日は、こうした現実を世界が共有するために国連が定めた「世界自閉症啓発デー」です。
この記念日は2007年(平成19年)12月の国連総会で制定されました。カタール王国の王妃の提案が全加盟国の支持を得て採択されたもので、国際デーのひとつとして毎年実施されています。英語表記は「World Autism Awareness Day」で、略称はWAADとも呼ばれます。
シンボルカラーは青色です。毎年この日には、世界各地のランドマークが青くライトアップされます。青は「癒し」や「希望」を象徴する色とされており、日本でも東京タワーをはじめ全国各地の建築物が青い光に包まれます。建物のライトアップという視覚的なアクションが、自閉症への関心を広げるきっかけになっています。
日本では4月2日から8日を「発達障害啓発週間」と定めています。この期間中は全国各地でシンポジウムや展示、相談会などの啓発イベントが開催されます。世界自閉症啓発デー日本実行委員会が中心となり、当事者や家族、支援者が連携しながら取り組みを進めています。2025年のキャッチコピーは「みんな たいせつ つながる えがお」です。
自閉スペクトラム症は、社会的なコミュニケーションや行動の特性が定型発達とは異なる状態を指します。知的障害を伴うケースもそうでないケースもあり、一人ひとりの特性は大きく異なります。「スペクトラム(連続体)」という言葉が示すとおり、その状態像は非常に多様です。近年は診断基準や認知の広がりもあり、報告される人数は世界的に増加傾向にあります。啓発の目的は「理解を広めること」であり、自閉症のある人が本人らしく生きられる社会の実現を目指しています。診断名や障害の有無に関わらず、多様な特性を持つ人が暮らしやすい環境を整えることが、この記念日の根底にある考え方です。