児童福祉法施行記念日 (記念日 4月1日)

児童福祉法施行記念日

戦後の焼け跡に、行き場のない子どもたちが溢れていた。終戦直後の日本では、空襲や戦地での戦死によって親を失った戦災孤児が各地にあふれ、上野駅など大都市の駅構内には路上生活を余儀なくされた子どもたちが多数いたとされています。こうした戦後の混乱と子どもたちの困窮が、日本の児童福祉の礎となる法律制定を急がせました。

1947年(昭和22年)12月12日に公布された児童福祉法は、翌1948年(昭和23年)1月1日に施行されました。従来、子どもに関する行政は「少年教護法」「児童虐待防止法」「母子保護法」といった戦前からの保護法規が個別に存在するだけで、体系的な枠組みがありませんでした。これらを統合し、すべての児童を対象にした包括的な「福祉」の視点に立つ法律を作ることが、新生日本の急務となったのです。

注目すべきは「児童福祉」という言葉そのものの新しさです。この語が公式に使われたのは、1947年1月に出された「児童保護法要綱案を中心とする児童保護に関する意見書」が最初とされています。従来の「児童保護」が問題を抱えた子どもへの消極的な保護にとどまっていたのに対し、「児童福祉」はすべての子どもの健やかな育成を社会全体で支えるという積極的な理念を示す言葉でした。この転換は、法律の性格を根本から変えるものでした。

法の施行により、都道府県には児童相談所が設置され、相談・調査・判定・指導・措置を一貫して担う専門機関として機能し始めました。児童福祉審議会、児童福祉士(後の児童福祉司)もこの法律によって制度化されています。

その後、少子化・虐待の増加・家庭環境の多様化といった社会状況の変化を受け、法律は繰り返し改正されてきました。2016年(平成28年)の改正では「子どもの権利」が法律上明確に位置づけられ、2022年(令和4年)の改正では困難を抱える子育て家庭への包括的な支援体制の強化が図られています。1948年に一歩を踏み出した制度は、今も形を変えながら日本の子どもたちを支え続けています。