世界結核デー (記念日 3月24日)
1882年3月24日、ドイツの細菌学者ロベルト・コッホはベルリンで結核菌の発見を発表しました。当時、結核は「白いペスト」とも呼ばれ、欧州の死因の7人に1人を占めていた感染症です。この歴史的発見を記念し、世界保健機関(WHO)は1997年の世界保健総会で毎年3月24日を「世界結核デー」と制定しました。コッホはルイ・パスツールとともに「近代細菌学の開祖」と称され、結核菌(1882年)・コレラ菌(1883年)・炭疽菌の純粋培養(1876年)と次々に病原体を特定し、感染症医学の礎を築きました。その功績から1905年にはノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
医学の進歩によって一時は克服されたかに見えた結核ですが、今も世界規模の脅威であり続けています。2015年には世界で新たに1040万人が発病し、180万人が命を落としました。感染者の多くは低・中所得国の貧困層や社会的弱者に集中しており、貧困・格差という社会構造と深く結びついた問題です。偏見・差別・経済的障壁といった治療を阻む壁を取り除き、すべての患者が適切な医療を受けられる環境づくりが国際社会に求められています。2017年のテーマは「Unite to End TB: Leave no one behind(誰ひとり取り残さない)」でした。
結核は過去の病気ではありません。
日本では厚生労働省が毎年9月24日〜30日を「結核予防週間」と定め、結核予防会など関係団体と連携して普及啓発を行っています。定期健診やBCGワクチン接種は今も感染拡大を防ぐ重要な手段であり、早期発見・早期治療が一人ひとりの命を守ることにつながっています。
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