国際ノウルーズ・デー (記念日 3月21日)

国際ノウルーズ・デー

世界で3億人以上が新年として祝う日が、毎年春分の日に訪れる。それが「ノウルーズ」です。ペルシア語で「新しい日」を意味するこの祭りは、3000年以上前の古代イランに起源をもち、現代に至るまで途絶えることなく受け継がれてきました。イランをはじめ、アフガニスタン、タジキスタン、カザフスタン、アゼルバイジャン、さらにはアフリカ大陸の一部にまで及ぶ広大な地域で、民族や宗教の違いを超えて共有されている祝祭です。

ノウルーズの準備は新年の数週間前から始まります。「ハネ テカニ(家を揺らす)」と呼ばれる大掃除で一年の埃を払い落とし、新年を迎える清潔な空間を整えます。そして年越し直前の最後の水曜日の夜、人々は広場に集まって焚き火を燃やし、その炎を飛び越える「チャハールシャンベ・スーリー」という儀礼を行います。火の上を跳び越えることで、過去一年の厄や悲しみを焼き払い、新しい季節の健康と幸運を願うのです。

新年当日の中心となるのが「ハフト・スィーン」と呼ばれる正月飾りです。ペルシア語でSの音から始まる7つの品々をテーブルに並べる風習で、緑色の発芽豆(サブゼ)、甘い小麦菓子(サマヌ)、グミの実(センジェド)、スマック(香辛料)、酢(セルケ)、リンゴ(スィブ)、ニンニク(スィル)が揃えられます。それぞれの品には意味があり、サブゼは生命と再生、サマヌは豊穣と力、センジェドは愛と親愛、スマックは夜明けの色を象徴するとされています。さらに鏡や蝋燭、金魚鉢、卵、硬貨なども添えられ、豊穣・生命・光・繁栄といった願いが食卓に集結します。太陽が春分点を通過する瞬間に一家が揃ってこの席に着き、新年の始まりを告げるのがならわしです。

祝祭は13日間続き、最終日には「スィズダ・ベダール」と呼ばれる野外ピクニックの習慣があります。家族全員が戸外へ出てケバブを囲む、この日も祭りの締めくくりです。

2009年にユネスコの無形文化遺産へ登録され、2010年には国連総会が3月21日を「国際ノウルーズ・デー」として制定しました。2024年時点では13カ国が共同で登録する国際的な文化遺産となっています。農業の節目として生まれたこの祭りが、3000年を経てなお世界の人々を結びつけているという事実は、暦と自然と人間の営みがいかに深く結びついているかを静かに教えてくれます。