国際人種差別撤廃デー (記念日 3月21日)

国際人種差別撤廃デー

1960年3月21日、南アフリカのシャープビルで69人が命を落としました。アパルトヘイト(人種隔離政策)に基づき、黒人に身分証明書(パス)の常時携帯を義務付けるパス法への抗議デモに対し、警官隊が発砲したのです。デモ参加者たちは非武装の市民でした。この「シャープビル虐殺事件」は国際社会に大きな衝撃を与え、その後の国連による人種差別問題への取り組みを加速させました。

アパルトヘイトは、南アフリカで1948年以降、国民党政権が制度化した徹底的な人種分離政策です。居住区・教育・交通機関・医療に至るまで白人と非白人を厳しく分離し、黒人はわずかな賃金で過酷な労働に従事させられていました。パス法もその一環で、黒人が都市部で生活・移動するには常に携帯を求められ、違反すれば即座に逮捕されました。シャープビルの人々はこの法律に対する平和的な抗議として、あえてパスを持たずに警察署に集まりました。数千人が参加したこのデモに、警官隊は無警告で銃口を向けたのです。

事件を受け、国連安全保障理事会は南アフリカ政府の行為を非難。1966年の国連総会は、この日を「国際人種差別撤廃デー」として制定しました。さらに1971年には「人種差別と闘う国際年」が設けられ、3月21日から27日の一週間は「人種差別と闘う人々との連帯週間」とされています。

南アフリカでは、ネルソン・マンデラ氏らの長年にわたる闘いと国際社会からの経済制裁を経て、1991年にアパルトヘイト関連法が廃止されました。1994年には民主化後初の全人種参加による選挙が実施され、マンデラ氏が大統領に就任。南アフリカでは3月21日を「人権デー」として国の祝日に定めています。

世界では今も人種・民族を理由とする差別や暴力が絶えません。国連は毎年この日に合わせ、加盟国に対して差別撤廃に向けた取り組みを呼びかけています。シャープビルで犠牲になった人々の記憶は、現在も人権を守るための活動を支える礎となっています。