立庁記念日(神奈川県) (記念日 3月19日)

立庁記念日(神奈川県)

1868年(慶応4年)3月19日、明治新政府は徳川幕府から「神奈川奉行所」を接収し、「横浜裁判所」と改称しました。神奈川県庁はこの日を「立庁記念日」と定めていますが、ここでいう「裁判所」は現在の司法機関とはまったく異なります。司法・通関・税務・治安取り締まり・一般行政を一手に担う、今日でいえば県庁そのものに相当する機関です。

この横浜裁判所の前身である神奈川奉行所が置かれたのは、1859年(安政6年)の横浜港開港がきっかけでした。外国との交易窓口となった横浜を管轄するため、幕府が設置した行政機関です。現在の横浜市西区紅葉ケ丘、神奈川県立青少年センター前には「神奈川奉行所跡」の石碑が残されており、県政の出発点がこの地であったことを今に伝えています。

維新政府は激動の中にあり、横浜裁判所はわずか数ヶ月のうちに名称を変え続けました。1868年4月には「神奈川裁判所」、6月には「神奈川府」、そして元号が明治に改まった同年9月21日にようやく「神奈川県」という名称が誕生します。立庁から県名確定まで、実質半年ほどの慌ただしい経緯でした。

「かながわ」という地名の初出は古く、1266年(文永3年)の鶴岡八幡宮所蔵文書に「神奈河」の郷名として登場します。「神奈川」「神名川」「上無川」など表記は様々で、現在の横浜市神奈川区周辺の地域を指す言葉として使われてきました。古くから陸上・海上交通の要衝として知られるこの地が、開港とともに行政の中心地となり、県名として全国に広まりました。その後も県域は変動を続け、1876年(明治9年)の足柄県統合、1893年(明治26年)の多摩三郡東京府移管を経て、現在の県域が確定しています。