パイの日 (記念日 3月14日)
3.14159265358979——。この数字が永遠に続く無理数であることを、「男の割り切れない気持ち」と見立てたのが、パイの日の出発点です。
2002年(平成14年)、日本パイ協会が3月14日を「パイの日」として制定しました。日付の根拠はシンプルで、円周率の近似値「3.14」が3月14日と一致すること、そして円周率がギリシャ文字のπ(パイ)で表されることから来ています。制定にあたってはいくつかの洒落が重ねられており、「まあーるい円で円満」「エンドレスラブ」「パイをお返ししてまーるくおさめましょう」など、円形のパイをホワイトデーの返礼品として贈る文化とも結びつけられています。
この「3.14」をめぐっては、日本だけでなく世界各地で記念日として認識されています。とくにドイツをはじめ多くの国で日付を「3.14」と点区切りで表記する慣習があることから、3月14日は「Pi Day(円周率の日)」として数学の世界でも広く祝われます。大学の数学科やサイエンスクラブが円をテーマにしたパーティーを開く事例も多く、オランダのデルフト工科大学では記念日に合わせてパイを焼く催しが行われています。
パイの歴史は古く、紀元前12世紀の古代エジプトの壁画にすでに層状の焼き菓子の描写があるとされます。パイという言葉が文献に初めて登場するのはイギリス・ヨークシャーの修道院の出納記録で、カササギ(magpie)に由来するという説が有力です。中世ヨーロッパでは耐熱性を持つ容器として食材を包んで焼くための実用品でしたが、北イタリアで豪華な料理として発展し、やがてアメリカやアジアへと広まりました。
3月14日はホワイトデーでもあるため、パイの日はチョコレートのお返しにパイを贈る提案として機能しています。「永遠の愛を誓う日」という位置づけも、円が終わりのない形であることと、πが終わりのない数であることを掛け合わせた解釈です。