松本山賊焼の日 (記念日 3月9日)

松本山賊焼の日

鶏のもも肉やむね肉を一枚丸ごと、ニンニク・生姜・タマネギ入りの醤油ダレに漬け込み、片栗粉をまぶして揚げる「松本山賊焼」。唐揚げと似ているようで、肉を一枚そのまま使う豪快さがまず違います。発祥は隣の塩尻市にある「元祖山賊」とされており、戦後に中国から帰還した創業者・高見安治郎氏が考案したと伝えられています。松本市内ではその後「河昌」という食堂が持ち込んだことで地域に根付き、やがて塩尻とは異なる松本独自のスタイルへと発展していきました。松本流の特徴はタレに生姜を必ず加える点で、ニンニクを効かせた骨付き肉が基本の塩尻スタイルとは一線を画しています。持ち帰り時のにおいを抑えるという実用的な理由も背景にあったとされており、地域の生活に寄り添うかたちで味が定まっていったようです。

3月9日が「松本山賊焼の日」なのは、「さん(3)ぞく(9)」と読む語呂合わせからです。この記念日は郷土料理を愛する市民や事業所が集まって設立した「松本山賊焼応援団」が制定し、2019年(令和元年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。県内外の多くの人に松本山賊焼のおいしさを知ってもらい、松本市の魅力を広めることが目的です。応援団には現在73の事業所と253名の個人団員が加盟しており、加盟店を検索できる公式サイトも運営されています。

応援団のマスコットキャラクター「さんぞくん」は2012年(平成24年)にデザインと愛称がともに公募で決まった、山賊に扮した鳥のキャラクターです。松本を訪れる際には、そばと山賊焼のセットを出す店も多く、信州の食文化をまとめて味わえる組み合わせとして地元に定着しています。