バービー人形の誕生日 (記念日 3月9日)
1959年3月9日、ニューヨークで開催された国際おもちゃフェアに登場したバービーは、当時のアメリカで主流だった赤ちゃん人形とは一線を画す「大人の女性型」の着せ替え人形でした。価格は3ドル。同時代に売られていた着せ替え人形が2ドル台だった中では割高でしたが、発売初年度だけで350万体以上が売れ、その後60年以上にわたって世界で累計10億体を超えるとされる長期ヒット商品となりました。バービーを生み出したのは、マテル社の共同創業者の一人であるルース・ハンドラーです。娘のバーバラが大人の姿をした紙人形で遊ぶ様子を見て「子どもが将来の自分を投影できるような人形があればいい」と考えたのが開発のきっかけでした。1956年にヨーロッパを旅行した際、西ドイツで販売されていた成人女性型の人形「ビルト・リリ」を発見し、それを参考にしながらアメリカ市場向けに製品化を進めました。人形の名前は娘バーバラの愛称から取られています。
初期のバービー人形の製造は日本で行われていました。当時の日本は人件費が安く、繊維産業が盛んだったため、人形本体と衣装を一括発注できるという利点がありました。マテル社は東京の玩具問屋・株式会社国際貿易と交渉を重ね、日本生産の体制を整えました。繊細な造形と丁寧な縫製が求められるバービーの生産において、日本の職人技術が一定の役割を果たしていたことは、あまり知られていない事実のひとつです。
その後マテル社は年間100体以上の新作を発売し続け、職業・民族・体型など多様なバリエーションを展開してきました。1997年には車いすに乗ったバービーが登場し、ダウン症の特徴を持つバービーは2023年に初めて発売されています。誕生から60年以上が経った現在も、バービーは単なる玩具を超えた文化的アイコンとして世界中で販売されています。