赤ちゃん&こども「カット」の日 (記念日 3月8日)
赤ちゃんが生まれてから一度も切っていない産毛の毛先は、この世に二つとない繊細な素材です。その産毛を筆に仕立てる「赤ちゃん筆(誕生記念筆)」は、古くから「頭脳明晰・長寿のお守り」として産毛を保存する日本の習慣を受け継ぎながら、現代の記念品として広まってきました。3月8日は、そんな赤ちゃんと子どもの「カット」にまつわる記念日です。
「赤ちゃん&こども『カット』の日」は、愛知県豊川市に本社を置く赤ちゃん筆センター株式会社が1999年(平成11年)に制定しました。日付は「さん(3)ぱつ(8)」と読む語呂合わせ、つまり「散髪」にちなんでいます。赤ちゃんと子ども専門の理容室の存在を社会に広くPRすることを目的として生まれ、一般社団法人・日本記念日協会にも認定・登録されています。
赤ちゃんがお腹の中にいる頃から生え始める産毛は、一度もカットされていない毛先がやわらかく、生まれてからの最初のカット以降は二度と同じ状態に戻りません。赤ちゃん筆センターはこの「一生に一度しかない産毛」を形にして残したいという親の願いに応えるため、専門の工房で一本一本の筆を丁寧に仕立ててきました。創業以来、同社の赤ちゃん&子ども専用の理容室で髪をカットした人は延べ150万人以上にのぼります。
赤ちゃん筆センターは「赤ちゃん筆」のみを扱う専門メーカーとして、一般的な書道用筆は取り扱わず、個別管理の徹底した清潔な設備で伝統の筆工技術を守り続けています。動物の毛が混入する心配がなく、親が安心して赤ちゃんの産毛を預けられる体制を整えているのも同社の特徴です。完成した誕生記念筆は入学・成人・結婚など人生の節目に親から子へ渡す「一生の宝物」として、雛人形やこいのぼりと並ぶ記念品の位置づけで愛されています。なお、同社は8月20日を「誕生記念筆の日(赤ちゃん筆の日)」として別途制定しており、3月8日の「カット」の日と合わせて産毛にまつわる記念日を二つ設けています。産毛を筆に変えることで記憶を形に残すという発想は、日本ならではの繊細な記念文化を象徴しています。