みつばちの日 (記念日 3月8日)
働きバチは全員メスで、女王バチになるかどうかはローヤルゼリーを食べるかどうかで決まります。一方、オスバチは未受精卵から生まれる1倍体で、英語では「drone(なまけもの)」と呼ばれます。巣の中で働きバチに餌をもらうだけで、採蜜も子育ても行いません。ミツバチの社会構造は、こうした生物学的な仕組みによって成り立っています。3月8日の「みつばちの日」は、「みつ(3)ばち(8)」の語呂合わせから1985年に全日本はちみつ協同組合と日本養蜂はちみつ協会が制定した記念日です。同じ日に8月3日を「はちみつの日」と定めており、5月20日は国連が定める「世界ミツバチの日」にもなっています。
ミツバチはハチ目ミツバチ科ミツバチ属に属する昆虫で、現生種は世界に9種が確認されています。日本ではニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種が養蜂に使われており、セイヨウミツバチは1877年(明治10年)に日本へ導入されました。導入の理由はその生産性の高さにあります。スーパーで販売されている蜂蜜のほとんどはセイヨウミツバチ由来のもので、大量生産が可能なため比較的安価に流通しています。これに対しニホンミツバチの蜂蜜は採取量が少なく高価ですが、コクと深みがあるとされ、ファンも多いです。
ミツバチは蜂蜜の生産だけでなく、農作物の受粉にも不可欠な存在です。イチゴ、リンゴ、メロンなど多くの果物・野菜の受粉を担っており、農業における貢献は非常に大きいです。ただし、トマトやピーマンなどのナス科野菜は蜜を分泌せず、特殊な振動を与えて花粉を落とす「振動採粉」が必要なため、同じミツバチ科ながら別属のマルハナバチが使われます。受粉の専門家も種によって異なるのです。
女王バチと働きバチはともに受精卵から生まれますが、幼虫期の食べ物が運命を分けます。通常の幼虫は花粉と蜂蜜で育ち働きバチになりますが、働きバチの頭部から分泌されるローヤルゼリーだけを与えられた幼虫は交尾・産卵能力を持つ女王バチへと成長します。食べ物一つで将来が決まるという仕組みは、生物学的にも非常に興味深い例です。