花粉症記念日 (記念日 3月7日)

花粉症記念日

日本人の約38%が罹患しているとされる花粉症。毎年春になると多くの人が悩まされるこの疾患が、国内で初めて医学的に報告されたのは1960年代のことです。1961年にブタクサ花粉症が、1963年にはスギ花粉症が学術的に確認されました。栃木県日光地方で春にくしゃみや鼻炎症状を訴えた患者を調査した研究者たちが、スギ花粉をアレルゲンと特定したのが始まりとされています。当時は患者数も少なく一部の地域に限られた疾患でしたが、その後の環境変化とともに急速に全国へ広がっていきました。

3月7日は「花粉症記念日」としてインターネット上で広く紹介されています。根拠として「1993年3月7日に気象庁が花粉飛散情報の発表を開始した日」とする説明が多く見られます。しかし気象庁は公式の「よくある質問集」において、花粉飛散情報をこれまで一度も発表したことはなく、「花粉症記念日」の制定も行っていないと明確に否定しています。この記念日を制定した組織や団体、目的はいずれも確認できておらず、根拠不明のまま流通している記念日です。

患者数の推移を見ると、1998年の調査では有病率が約16%でしたが、約10年ごとに10ポイント前後増加し、2019年の調査では約39%に達しています。

スギ花粉症が急増した背景には、1960年代の大規模な植林政策があります。戦後の木材需要に応えるべく全国でスギが大量に植えられましたが、その後の輸入材普及により国内林業が縮小し、多くのスギが伐採されないまま成熟を迎えました。成熟したスギは花粉生産量が増加し、地球温暖化による気温上昇も加わって飛散量は年々増加傾向にあります。2014年にはスギ花粉症に対する舌下免疫療法が保険適用となり、アレルゲンを少量ずつ体内に取り込んで免疫を慣らしていくこの治療法が、根治を目指す選択肢として定着しています。