酸蝕歯の日 (記念日 3月4日)

酸蝕歯の日

毎日の食事に潜む「酸」が、じわじわと歯のエナメル質を溶かしていきます。ワイン、スポーツドリンク、フルーツジュース、ドレッシング——健康によいとされる食品も含めて、私たちが口にする多くの飲食物に酸が含まれています。この酸によってエナメル質が摩耗した状態の歯を「酸蝕歯(さんしょくし)」と呼びます。ムシ歯は細菌がつくる酸による溶解ですが、酸蝕歯は飲食物の酸が直接エナメル質を侵食する点が異なります。3月4日は「酸蝕歯の日」。「さん(3)しょくし(4)」と読む語呂合わせから、歯磨剤「シュミテクト」を販売するグラクソ・スミスクライン株式会社が制定しました。一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されており、酸蝕歯を社会に広くアピールすることを目的としています。イギリス・ロンドンに本社を置く同社は、酸蝕歯が気になる人のために特別設計された「シュミテクト PRO エナメル」を製造・販売しており、エナメル質の強化と酸からの保護、ムシ歯予防をうたっています。

問題は「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」にあります。炭酸飲料や酢系ドリンクをだらだらと長時間かけて飲み続けると、口の中がずっと酸性に保たれてしまいます。唾液には酸を中和する働きがあるため、食後に水やお茶を飲んでうがいをしたり、飲み物はストローで飲んで歯に直接触れさせないようにしたりすることが、シンプルかつ効果的な予防策です。逆流性食道炎など胃酸が逆流する疾患も、酸蝕歯の原因になることが知られています。

厄介なのは、初期段階では自分では気づきにくいことです。「エナメル質が弱くなる」「薄くなる」「透けてくる」「黄ばむ」「光沢がない」といった変化がダメージのサインですが、どれも自覚しにくく、歯医者で指摘されて初めて知るケースも少なくありません。エナメル質のダメージは年齢とともに進行するため、早めに歯科医に相談することが大切です。現代の食生活が多様化するなかで、酸蝕歯は決して他人事ではありません。