三線の日(さんしんの日) (記念日 3月4日)

三線の日(さんしんの日)

3月4日の正午、沖縄県内だけでなくハワイ・ブラジル・イギリスでも、同じ曲が一斉に鳴り響きます。古典音楽の代表曲「かぎやで風(かじゃでぃふう)」——沖縄の祝いの席に欠かせないこの曲を軸に、世界中の三線奏者が同じ時間を共有する。それが「さんしんの日」の姿です。

日付は「さん(3)し(4)ん」の語呂合わせ。正式名称は「ゆかる日 まさる日 さんしんの日」といい、「ゆかる」は縁起の良い日、「まさる」は優る・勝るという意味が重なっています。1993年(平成5年)に琉球放送が提唱して始まり、沖縄県と琉球放送が共同で制定した記念日です。

この日の発案には、終戦記念日の正午に全国民が黙祷をささげる光景がヒントになったといわれています。沖縄固有の文化を象徴する三線を使って、沖縄中の人々が同じ想いと時間を共有できないかという着想から生まれました。メイン会場は読谷村文化センター鳳ホール。古典音楽・民謡・琉球舞踊の各流派が会派を超えて協力し、正午から午後8時まで計9回の時報に合わせて「かぎやで風」を演奏・演唱してきました。

三線は、三味線のルーツにあたる楽器です。琉球王朝時代に中国から伝わった「三弦(さんしぇーん)」が起源とされ、蛇皮を張った胴と黒檀・紫檀の棹が特徴です。本土に渡った際、入手しにくい蛇皮の代わりに猫や犬の皮が使われるようになり、三味線へと変化しました。三線の方が三味線より歴史が古く、日本の弦楽器文化の源流のひとつに位置しています。「さんしんの日」は回を重ねるごとに広がりを見せ、現在では福岡・大阪・東京・札幌など国内各地に加え、ハワイ・ブラジル・イギリス・フランス・南アフリカなど世界各地でも連携イベントが開催されています。ラジオの公開生放送やライブ配信を通じて、沖縄にいなくても参加できる仕組みが整っており、沖縄の音楽文化を次代へ伝える場として機能し続けています。