桃の日 (記念日 3月3日)

桃の日

「ヒューヒュー」というフレーズを覚えているでしょうか。1998年、歌手・華原朋美がCMに登場したことで、清涼飲料水「桃の天然水」は爆発的なヒット商品となりました。そのブランドを広めるために制定されたのが3月3日の「桃の日」です。「桃の節句」と語呂をかけ、1999年(平成11年)に製造元の日本たばこ産業(JT)が制定しました。

「桃の天然水」の歴史は1996年(平成8年)にさかのぼります。350ml缶として登場した当初はほとんど売れない地味な商品でした。翌1997年には500mlペットボトルが加わったものの、存在感は薄いままでした。状況が一変したのは1998年のCM起用がきっかけです。CMの決め台詞「ヒューヒュー」が若者の間で大流行し、通称「桃水(ももすい)」「桃天(ももてん)」と呼ばれるほど親しまれるブランドへと急成長しました。

しかし、好事魔多し。カビの混入による製品回収騒ぎが発生し、ブランドイメージは大きく傷つきました。さらに2000年代に入ると、緑茶をはじめとする無糖飲料が主流となり、甘い清涼飲料水の市場そのものが縮小。「桃の天然水」の売り上げも下降を続けました。

2015年(平成27年)、JTが飲料事業から完全撤退したことで、ついに販売終了。ところが翌2016年(平成28年)9月、サントリー食品インターナショナルがJTから「Roots」とともにブランドを取得し、セブン&アイ・ホールディングス系列店限定という形で約1年ぶりに復活を果たしました。一度幕を下ろしたブランドが形を変えて再登場するというのも、「桃の天然水」らしいドラマチックな展開といえます。

3月3日の「桃の日」は、こうした浮き沈みの激しい一本の飲料水の歴史と、ひとつの時代の空気を静かに伝える記念日でもあります。

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