平和の日 (記念日 3月3日)
3月3日を「平和の日」として世界に提唱したのは、日本でした。1984年(昭和59年)5月、東京で開催された「第47回 国際ペンクラブ東京大会」において、日本ペンクラブが「世界中のペンセンターで平和を願うキャンペーンを実施する」ことを発案したのが始まりです。翌1985年(昭和60年)から、この理念は世界各地へと広がりました。3月3日という日付を選んだのも日本の提案によるものです。「女の子の健やかな成長を祝う雛祭りは、平和の象徴にふさわしい」という主張が国際社会に受け入れられ、桃の節句が世界の平和を願う日として位置づけられました。以来、世界の各ペンクラブセンターでは毎年この日に、平和を訴えるキャンペーンやイベントが開催されています。
日本ペンクラブの歴史は1935年(昭和10年)にさかのぼります。ロンドンに本部を置く国際ペン(PEN International)の日本センターとして、11月26日に創立されました。初代会長には文豪・島崎藤村が就任し、当時第一線で活躍していた作家、詩人、外国文学者、評論家たちが賛同して集いました。
「PEN」という名称には意味が込められています。P(Poet=詩人、Playwright=劇作家)、E(Essayist=随筆家、Editor=編集者)、N(Novelist=小説家)の頭文字であり、文筆に携わる者たちの連帯を象徴しています。その精神の核心にあるのは、「平和を希求し、表現の自由に対するあらゆる形の弾圧に反対する」という理念です。独立自尊をモットーに、日本の言論界を長年にわたってリードしてきた組織でもあります。
世界最大の文学者組織である国際ペンは、現在も言論の自由や人権擁護のための活動を各国で展開しています。平和の日はその活動の象徴的な一日として、文学と平和という一見遠い概念を結びつける場となっています。雛祭りの穏やかな情景が、世界規模の平和運動の起点となっているという事実は、日本文化の持つ静かな力を示しているといえるでしょう。