タイガーボードの日 (記念日 3月1日)

タイガーボードの日

「タイガーボード」は1922年(大正11年)、吉野石膏株式会社が日本で初めて製造・販売した石膏ボードです。1923年(大正12年)、関東大震災で倒壊した旧帝国ホテルの廃墟のなかで、石膏ボードを使った内壁・天井の部分だけが原形をとどめていたとされています。その耐火性能を証明する出来事が、その後の建築史を大きく動かしました。石膏は結晶水を豊富に含む鉱物で、火災時の熱にさらされると内部の結晶水が水蒸気として放出されます。この気化熱が熱の伝わりを遅らせ、建物の延焼を食い止めます。ボード一枚の薄い材料が、火の回りを数十分単位で遅らせる役割を果たすのです。

吉野石膏は1901年(明治34年)に創業し、山形県吉野村(現:南陽市)の吉野鉱山で石膏の採掘を始めました。国産石膏ボードの製造に踏み切ったのは創業から20年余りのことで、現存する最古の石膏ボードは1922年3月から6月にかけて製造されたものとされています。

旧帝国ホテルでの採用を経て、タイガーボードの耐火性能は徐々に行政にも認められるようになります。1949年(昭和24年)には建設省住宅局が「防火建築材料」に推奨し、1969年(昭和44年)には建設省から不燃材料の認定を受けました。この認定を機に需要が爆発的に拡大し、住宅・商業施設を問わず内壁や天井の下地材として全国に普及しました。

3月1日が「タイガーボードの日」に選ばれたのは、「春の全国火災予防運動」の初日にあたるためです。防火への貢献という製品の本質と、記念日の意味合いを重ねた日付です。2022年(令和4年)、タイガーボードはちょうど100周年を迎えました。寅年のその年、「タイガー」の名を冠した製品の節目として、吉野石膏がこの記念日を制定しました。