再石灰化の日 (記念日 3月1日)

再石灰化の日

食べたあと、口の中では静かな攻防が繰り広げられています。ごはんやおやつに含まれる糖が分解されると口腔内は酸性に傾き、歯のエナメル質からリン酸カルシウムの結晶が溶け出す「脱灰(だっかい)」が始まります。しかし唾液が酸を中和してpHが中性に戻ると、今度は逆の反応が起こります。唾液中のカルシウムやリンが溶けた部分を埋め戻し、エナメル質の結晶を新たに形成する「再石灰化」です。むし歯の初期段階は、この再石灰化によって自然に修復される可能性があります。エナメル質の無機成分の約97%を占める物質はハイドロキシアパタイトと呼ばれるリン酸カルシウムの一種で、脱灰によってこれが失われると白濁した「初期むし歯」が現れます。この段階であれば穴はまだ開いておらず、適切なケアで再石灰化を促せば歯を削らずに済む可能性があります。脱灰が再石灰化を上回り続けたとき、初めて目に見えるむし歯の穴へと進行します。

再石灰化を後押しする成分として知られるのが、フッ素と薬用ハイドロキシアパタイトです。薬用ハイドロキシアパタイトは歯の構成成分そのものであるため、直接エナメル質の欠損部分に吸着して結晶修復を助けるとされます。3月1日の「再石灰化の日」は、この薬用ハイドロキシアパタイトを配合した歯磨き粉「薬用アパコートS.E.〈ナノテクノロジー〉」を販売する株式会社ヤクルト本社が制定し、日本記念日協会に認定・登録されました。「さ(3)い(1)」の語呂合わせで3月1日が選ばれています。

日常的に取り組める再石灰化の促し方は明快です。歯垢が残ったままでは唾液が歯の表面に届かないため、ブラッシングで歯垢をしっかり取り除くことが前提になります。だらだら食べや頻繁な間食は脱灰の時間を長引かせるため、食事と食事の間に口腔内が中性へ戻る時間を確保することも欠かせません。薬用ハイドロキシアパタイトやフッ素を含む歯磨き粉の活用も選択肢の一つです。