エイズ差別ゼロの日 (記念日 3月1日)
HIV/エイズに対する偏見や差別を恐れて検査を拒む人々がいるために、感染が拡大し続けているという実態があります。3月1日の「エイズ差別ゼロの日」(Zero Discrimination Day)は、こうした負の連鎖を断ち切ることを目的として設けられた国際デーです。
この日が誕生したのは2013年12月1日のことです。オーストラリアのメルボルンで開催された「世界エイズデー」の式典において、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が翌年からの実施を発表しました。そして2014年3月1日、第1回目の「エイズ差別ゼロの日」が世界各地で実施されました。日本語では「差別ゼロの日」と表記される場合もあります。
UNAIDSの報告によれば、2022年時点で世界のHIV感染者数は約3,900万人にのぼります。そのうち抗レトロウイルス療法(ART)を受けている人は約2,980万人とされており、治療へのアクセスには依然として大きな格差があります。偏見や差別が根強く残る地域では、HIV陽性であることが知られることへの恐怖から、検査そのものを避ける人が少なくありません。職場や地域社会での排除、家族からの孤立といった事例も報告されており、スティグマ(烙印)が治療の妨げになっています。その結果、必要な保健サービスや治療を受けられないまま感染が広がるという深刻な問題が各国から報告されています。この国際デーは、正しい知識と理解を広めることで、そうした構造を変えることを目指しています。
UNAIDSは1996年1月に発足した国連機関で、エイズ対策の国際的な調整を担っています。本部はスイスのジュネーブに置かれ、世界70か国以上に事務局を持ちます。活動の重点は主に発展途上国でのエイズ対策支援であり、医療アクセスの改善や啓発活動の推進に取り組んでいます。