工場夜景の日 (記念日 2月23日)
夜になると、工場は別の顔を見せます。無数のパイプや煙突、タンクが光を放ち、まるで異星の都市のような光景が広がる——そんな「工場夜景」が、今や立派な観光資源として全国に根を張っています。
その普及の起点となったのが、2011年(平成23年)2月23日に神奈川県川崎市で開催された第1回「全国工場夜景サミット」です。このサミットを記念して、「全国工場夜景都市」が2月23日を「工場夜景の日」に制定しました。日本記念日協会にも認定・登録されています。
「全国工場夜景都市」は、工場夜景観光に早くから取り組んできた室蘭市(北海道)・川崎市(神奈川県)・四日市市(三重県)・北九州市(福岡県)の4市が結集してスタートし、「日本四大工場夜景」を共同宣言しました。その後、周南市(山口県)・尼崎市(兵庫県)・富士市(静岡県)・千葉市(千葉県)が加わって「日本八大工場夜景」へと拡大。さらに堺市・高石市(ともに大阪府)・市原市(千葉県)が合流し、現在は「日本11大工場夜景」の体制となっています。
工場夜景がここまで注目を集めるようになったのは、そのビジュアルの圧倒感だけが理由ではありません。観光地として整備されたボートツアーや展望スポットの充実により、誰でも気軽にアクセスできるようになったことが大きいとされています。川崎市では工場夜景クルーズが人気を博し、北九州市や四日市市でも鑑賞スポットが整備されています。幻想的でありながら人工物という独特の矛盾が、写真映えする被写体としてSNS時代にも合致しました。
もともと工場地帯は、地域住民にとって「見慣れた日常の風景」でした。それが外部の視点によって「非日常の絶景」として再発見されたことは、観光の本質を示す好例といえます。2月23日はその再発見を祝う日であり、工場と地域と観光客をつなぐ節目として、各地でイベントや情報発信が行われています。
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