ロータリー設立記念日 (記念日 2月23日)
1905年2月23日、アメリカ・シカゴの小さな事務所で、四人の男たちが顔を合わせました。弁護士のポール・ハリス、鉱山技師のガスタバス・ローア、石炭商のシルベスター・シール、仕立て屋のハイラム・ショーレー。異なる職業を持つ四人が集まったのは、ローアの事務所でした。この会合が、世界に広がる巨大な奉仕組織の出発点となります。
ポール・ハリスがロータリークラブ設立に込めた思いは、シンプルなものでした。都会で孤立しがちな職業人が、職業の壁を越えて友情を育てられる場をつくること。当時のシカゴは急速に都市化が進んでおり、人々は肩書きや職業で分断されがちでした。ハリスはそこに、異業種の人間が集まり、互いに知恵を出し合える空間を見出そうとしました。
「ロータリー」という名前には、会合の場所を会員の事務所に順番に持ち回る(輪番・ローテーション)という当初の慣習が反映されています。シンボルマークの六本スポークの歯車も、この「回転」の精神を表しています。歯車が互いにかみ合って動力を生み出すように、異なる職業の人間が連携して社会を動かすというイメージです。
設立からわずか16年で、ロータリークラブは6大陸へと広がりました。日本では1920年(大正9年)に東京ロータリークラブが誕生し、アジア初のクラブとなります。現在では200以上の国と地域に約3万クラブ、約120万人の会員を擁する国際的な組織へと成長しました。
ロータリーの活動として特に知られるのが、ポリオ(小児麻痺)の根絶に向けた取り組みです。1979年にフィリピンでの予防接種活動を皮切りに、これまでに21億ドル以上と膨大なボランティア時間を投じてきました。122カ国の30億人近い子どもたちにワクチンを届け、かつて年間35万件以上あったポリオ感染は現在ごく少数にまで抑え込まれています。また1947年に創設された奨学金制度は、国際的な人材育成の柱として機能し、現在は毎年最大130口の平和フェローシップを提供しています。
職業を異にする四人が一室に集まったあの日から120年。「自分の職業を生かして世界と地域に奉仕する」という原点は変わらないまま、その活動は地球規模へと広がっています。