ふろしきの日 (記念日 2月23日)
「泥棒が盗品を包んで逃げる」そのイメージで知られる唐草模様は、本来は縁起物です。繁殖力旺盛な蔓草の生命力にあやかった吉祥文様であり、厄除けや長寿を願う意味が込められていました。その唐草模様が「泥棒の風呂敷」として定着したのは、昭和期のアニメや漫画がきっかけとされています。本来おめでたい文様が、いつの間にか犯罪者のシンボルに転じてしまった——風呂敷にはこうした、知れば驚く裏話が潜んでいます。
2月23日は「ふろしきの日」です。「風呂敷」を「包み」と読み替え、「つ(2)つ(2)み(3)」の語呂合わせから、「京都ふろしき会」と「日本風呂敷連合会」が2000年(平成12年)に制定しました。日本記念日協会にも認定・登録されており、1200年以上の歴史を誇る風呂敷の価値を広くアピールすることが目的です。「風呂敷」という名前の由来は室町時代末期にさかのぼります。大名が風呂に入る際に平包を広げ、その上で脱衣して衣服を包んだという説が広く知られていますが、茶の湯で使われる「風炉(ふろ)」に由来するという説もあり、「風呂」という言葉の語源にも関わる諸説入り乱れる歴史を持っています。
文様には、各家の家紋のほか、鶴と亀、松竹梅、鯉、龍、扇など、日本独特の吉祥文様が多く用いられてきました。縁起のよい動植物や物品を描いたこれらの図柄は、贈り物を包む際に「吉意を添える」役割を果たしてきました。用途に応じた包み方も多彩で、平包み、お使い包み、斜め包みなど、形状が異なるものを美しく包む方法が各地で伝承されています。
現代では、レジ袋の削減が叫ばれる中、風呂敷はエコマーク商品として見直されています。繰り返し使えて、使わないときは小さく畳めて、素材や柄のバリエーションも豊富——かつての生活必需品が、現代の環境意識とぴたりと合致したかたちです。布一枚で球体も、びん類も、弁当箱も包める汎用性の高さは、現代のバッグやトートバッグにはない独自の魅力です。
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