富士山の日 (記念日 2月23日)

富士山の日

富士山は、2013年6月22日にユネスコの世界文化遺産へ登録されました。「富士山:信仰の対象と芸術の源泉」という名称が示す通り、単なる自然の山ではなく、日本人の精神文化と深く結びついた存在です。毎年2月23日は「富士山の日」として広く認知されています。

この記念日の起源は、インターネット普及以前のパソコン通信時代に遡ります。1996年1月、Nifty-Serve内の同好会「山の展望と地図のフォーラム(FYAMAP)」がフォーラム内に「富士山の広場」を新設したことを記念し、「富士山の日」イベントを催したことが始まりです。フォーラムでは、全国の会員がオンライン上で富士山の見え具合をリアルタイムに報告し合うなど、富士山をテーマとした活動を積極的に展開していました。この記念日はのちに一般社団法人・日本記念日協会によって認定・登録されています。

2月23日という日付には二つの根拠があります。一つは「ふ(2)じ(2)さん(3)」という語呂合わせ。もう一つは、冬の乾燥した空気のなかでこの時期の富士山が特によく望めるという気象的な条件です。その後、山梨県河口湖町が2001年12月に、静岡県が2009年12月にそれぞれ独自に「富士山の日」を制定し、現在は両県で「富士山の日条例」として法的に位置づけられています。

両県では毎年この日に「富士山の日」フェスタを開催しており、富士山世界遺産センターによる研究成果の発表や記念講演などが行われます。条例の目的は、富士山の豊かな自然・美しい景観、そして富士山にまつわる歴史・文化を後世へ継承することにあります。富士山の後世継承に向けた運動を全国に広げていくことを意識した取り組みです。

富士山は日本三名山(三霊山)、日本百名山、日本の地質百選に選定されており、1936年には富士箱根伊豆国立公園に指定されました。1952年に特別名勝、2011年に史跡の指定を受け、世界文化遺産登録はその集大成といえる出来事でした。登録名称に「信仰の対象」と「芸術の源泉」の両面が明記されているのは、葛飾北斎の「富嶽三十六景」に代表される絵画・版画の世界から、富士講に代表される山岳信仰まで、富士山が多層的な文化的意味を担ってきた証です。