アレルギーの日 (記念日 2月20日)

アレルギーの日

アレルギーの原因となる物質を突き止めた科学者がいる。免疫学者の石坂公成は1966年(昭和41年)、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学においてブタクサアレルギー患者の血清を研究し、新たな免疫グロブリン「IgE(免疫グロブリンE)」の精製に成功した。この発見こそが、長年謎とされていたアレルギー反応の仕組みを解明する突破口となった。

IgEとは、哺乳類にのみ存在する糖タンパク質で、免疫グロブリン(Ig)の一種です。免疫グロブリンはB細胞で産生され、抗原と呼ばれる特定の分子を認識して結合する働きを持つことから「抗体」とも呼ばれます。哺乳類の抗体はその構造の違いによってIgG・IgA・IgM・IgD・IgEの5種類に分類されており、IgEはそのうちアレルギー反応に直接関与するクラスとして位置づけられています。

IgEの発見が発表されたのは、1966年2月20日にアメリカで開催されたアレルギー学会の場だった。石坂は妻であり共同研究者でもある石坂照子とともにこの成果を報告した。夫妻による共同発見という点も、科学史における特筆すべきエピソードのひとつである。

アレルギーの日は、この発見を記念して公益財団法人・日本アレルギー協会が1995年(平成7年)に制定しました。日付は学会発表が行われた2月20日に由来します。同協会はこの日の前後1週間を「アレルギー週間」と定め、患者や医療従事者に向けた啓発活動を毎年展開しています。IgEの発見は、アレルギー疾患の診断・治療に大きな変革をもたらしました。それ以前は、なぜ特定の物質に対して過剰な免疫反応が起きるのかが十分に解明されていませんでした。IgEの存在が明らかになったことで、アレルギーのメカニズムが体系的に理解され、血液検査による原因アレルゲンの特定や、抗IgE抗体を用いた治療薬の開発へとつながっていきました。石坂公成(1925〜2018年)の功績は、現代のアレルギー医学の礎となっています。