エアメールの日 (記念日 2月18日)

エアメールの日

1911年2月18日、インドのアラーハーバードで開かれていた博覧会の会場から、1機の複葉機が飛び立ちました。機体はハンバー・ソマー複葉機。骨組みに羽布を張っただけの原始的な構造で、パイロットは風雨を遮るものもない完全な露出状態で操縦桿を握りました。その小さな機体の中に積まれていたのは、約6500通の手紙やはがきでした。

目的地は、聖なるヤムナー川を挟んで約9キロ離れたナイーニの郵便局です。飛行時間はわずか13分。川を飛び越えた郵便物はナイーニに無事届けられ、そこからは列車など通常の手段で各地へ配達されました。これが、飛行機によって郵便物が運ばれた世界初の記録です。しかしこの飛行はあくまで博覧会のアトラクションとして企画されたものであり、定期的な航空郵便の営業が始まるのはそれから7年後のことです。1918年5月15日、米国郵政省がワシントンD.C.とニューヨーク市の間を、フィラデルフィア経由で結ぶ路線を開設しました。これが世界で最初の定期航空郵便便として記録されています。

1911年の初飛行から50年後の1961年(昭和36年)2月18日、インドはその歴史的瞬間を記念する切手を発行しました。切手にはあの日空を飛んだハンバー・ソマー複葉機の姿が描かれています。博覧会のアトラクションとして飛んだ一機が、半世紀後に国家が発行する記念切手に刻まれるほどの意義を持つ出来事として認められたことになります。

エアメールという概念が生まれる以前、国際的な手紙のやり取りは船による輸送が主流で、届くまでに数週間から数ヶ月を要することも珍しくありませんでした。1911年2月18日のあの13分間の飛行は、郵便の速度と距離に関する人々の常識を根底から変える第一歩でした。