次に行こうの日 (記念日 2月15日)
学校になじめない子どもにとって、音楽が「逃げ道」ではなく「入口」になり得ることを実証してきた機関があります。東京都世田谷区に本校を置く国立音楽院(くにたちおんがくいん)は、1967年(昭和42年)に音楽教室として出発し、現在は不登校・引きこもりの小中高生を積極的に受け入れるフリースクールとしても知られています。その国立音楽院を運営する株式会社国立音楽院が制定したのが「次に行こうの日」で、毎年2月15日に設けられています。日付は「次に(2)行(1)こう(5)」の語呂合わせで、4月の新学期を前に悩む子どもたちが新たな一歩を踏み出すきっかけの日とすることが目的です。2018年(平成30年)に一般社団法人・日本記念日協会が認定・登録しました。
国立音楽院の中等部はフリースクールとして位置づけられており、入学資格は設けていません。不登校・引きこもりのほか、軽度の発達障がい・身体障がい・知的障がいなど様々な事情を抱える中学生を受け入れ、週1回からでも選べる登校パターンを用意しています。定員は50名。在籍中学校と出席状況を情報共有する仕組みもあり、数か月で週4日以上通えるようになった生徒の実績も報告されています。
同院の教育の軸は「オープン・シラバス制」と呼ばれる自由選択方式で、演奏・楽器製作・修理・作曲・DTM・音響技術・音楽療法など多岐にわたる専門分野を生徒自身が選んで学びます。学習内容を強制しないことで、それまで居場所を見つけられなかった子どもが音楽を通じて目標を定めていく環境が整えられています。
「次に行こうの日」が2月15日に置かれているのは、卒業・進学・転校といった変化が集中する年度末と重なります。設立から半世紀以上が経過した今も、「音楽を学ぶ場」と「社会復帰の足がかり」という二つの役割を同時に担うこの学校が、悩む子どもたちへのメッセージとしてこの日を設けている意味は小さくありません。