干支供養の日 (記念日 2月11日)

干支供養の日

毎年2月11日の午前11時、愛知県瀬戸市の薬師窯ゆかりの「干支塚」に、全国から集められた干支置物が持ち込まれます。宝泉寺の住職の読経のあと、「干支割り」と呼ばれる神事で木づちにより置物を割り、一年間の厄払いへの感謝とともに元の土へ還す「干支供養祭」が執り行われます。この独特な供養の場を制度化したのが「干支供養の日」です。

記念日を制定したのは、愛知県蟹江市に本社を置き、干支置物や雛人形・五月人形などを製造・販売する株式会社中外陶苑です。2001年(平成13年)に制定し、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。日付の2月11日は、立春(2月4日頃)を過ぎた直後の日であること、そして「十一」という数字が合わさると「土」の字になることに由来しています。

干支供養祭の歴史は古く、中外陶苑では1989年(平成元年)より毎年この日に実施してきました。供養の対象は陶磁器製の干支置物に限られており、当日の来場だけでなく、前日までの持参や郵送でも受け付けています。供養された置物はそのまま廃棄されるわけではなく、リサイクル原料「還土(かんど)」として再利用されます。その還土を50%使用して成形した新しい干支置物が「還土干支」と呼ばれ、翌年以降に販売されます。日本では年始に干支置物を飾って縁起を担ぐ習慣が広く根づいていますが、役目を終えた置物をどう処分するかは悩みどころでもあります。干支供養の日は感謝を形にする場であるとともに、廃棄せずに原料として循環させる仕組みを伴っている点が際立っています。陶磁器を土に還し、また新たな干支置物として蘇らせるこのサイクルは、製造業者としての責任と文化的習慣の維持を両立させた取り組みです。