フルーツアートの日 (記念日 2月10日)
ペティナイフ一本で、フルーツが花に変わります。バラの形に彫られたスイカ、羽を広げた蝶に仕立てられたメロン――フルーツアートは、素材そのものの色と形を生かして作られるエディブルアート(食べられる芸術)です。2月10日はその普及を目指す「フルーツアートの日」。日付は「フ(2)ルーツアート(10)」の語呂合わせで、日本フルーツアートデザイナー協会が制定し、日本記念日協会に認定・登録されました。フルーツを彫刻する文化は、約700年前のタイ・スコータイ王朝時代に王室の食卓を飾るために生まれたとされています。「タイ式フルーツカービング」と呼ばれるその技術は東南アジアを中心に受け継がれ、日本にも伝わりました。一方、日本には古来より「剥物(むきもの)」や「飾り切り」といった野菜・果物の造形技術が料理文化の中に根付いており、そこに海外のカービング技術が融合するかたちで、現代のフルーツアートへと発展してきました。
フルーツアートの道具はペティナイフが基本。素材への敷居が低く、リンゴやスイカ、いちごなど身近な果物から始められるのが特長です。スイカの表面に格子状の模様を刻んだり、いちごをファンの形に切り開いたりといった比較的シンプルな技法から、ホテルのビュッフェや結婚式会場を飾るような精緻な造形まで、難易度の幅も広くあります。
見た目の美しさだけでなく、フルーツアートには食材ロスを減らすという視点もあります。普段は捨てられがちなスイカの白い部分や果物の皮・葉も、作品の一部として活用します。素材の付加価値を高め、生産者と消費者をつなぐ役割も担うとして、日本フルーツアートデザイナー協会は「フルーツアートプロフェッショナル」の育成を通じてその普及に取り組んでいます。誕生日サプライズ、ホームパーティ、ウェディングの演出――フルーツアートが活躍する場面は、食卓をはるかに超えて広がっています。