豚丼の日 (記念日 2月10日)

豚丼の日

北海道帯広市に、今も行列が絶えない「ぱんちょう」という老舗があります。昭和8年(1933年)創業の豚丼専門店で、十勝豚丼発祥の店として知られています。創業者が着目したのは、うなぎの蒲焼きでした。スタミナのつく料理を出したいが、うなぎは高価で手が届きません。そこで目を向けたのが、十勝で盛んだった養豚業の豚肉でした。炭火で焼いた豚ロースに蒲焼き風のたれをかけてご飯に乗せる——この発想が、やがて北海道全土に広まるソウルフードの原点になりました。

帯広を中心とする十勝地方に、現在約200軒の豚丼店がひしめいているといいます。観光客が全国から足を運ぶほどの人気ぶりで、「豚丼の聖地」としての地位は揺るぎません。そんな十勝豚丼を家庭でも手軽に味わえるようにと、本格的なたれの開発に取り組んだのが北海道芦別市の株式会社ソラチです。飲食店や農家、肉屋など十勝の人々の知恵を集めながら完成させた「十勝豚丼のたれ」は、発売から50年以上が経った今も変わらぬ味で愛され続けています。

2月10日の「豚丼の日」は、そのソラチが制定した記念日です。2(ぶた)と10(どん)を合わせた語呂合わせで、十勝豚丼を「味わう日」「楽しむ日」とするとともに、北海道内外へ豚丼の魅力を広める目的も持ちます。2010年(平成22年)に日本記念日協会に認定・登録されました。毎年この日には、帯広市内の豚丼店でイベントが開催され、豚汁の無料サービスや限定クーポンの配布など、地域を挙げた盛り上がりを見せています。

炭火焼きにこだわる店、タレのブレンドを代々守り続ける店、地元産の豚肉だけにこだわる店と、各店の哲学が丼一杯に詰まっています。どの店に入るか悩む時間さえ、帯広旅行の醍醐味のひとつです。