ニートの日 (記念日 2月10日)
2023年、日本で「ニート」に該当する15〜34歳の若年無業者は59万人。2002年の64万人からほぼ横ばいで推移しており、就職氷河期もコロナ禍も、この数字をさほど動かしてこなかった。数十年にわたって60万人前後という水準が続いていることは、ニートが景気変動に左右される一時的な現象ではなく、社会構造に根ざした問題であることを示している。
「ニート(NEET)」とは「Not in Education, Employment or Training」の頭文字を取った言葉で、就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない状態を指す。日本では厚生労働省の定義により、15〜34歳の非労働力人口のうち通学・家事をしていない者が「若年無業者」として集計され、ニートと同義的に扱われている。「ニート」という言葉が日本に広まったのは2004年(平成16年)。当時の東京大学社会科学研究所助教授・玄田有史とジャーナリスト・曲沼美恵の共著『ニート フリーターでもなく失業者でもなく』によって一般に知られるようになった。
ただし注意が必要なのは、日本のニート率は国際比較では低い水準にあるという点だ。OECDのデータでは、日本の若者ニート率は主要国のなかで2番目に低い数値を記録している。一方で、ひとたびニート状態に入ると長期化しやすく、年齢が上がるにつれて就労が難しくなるという構造的な問題が指摘されている。「ニートになった理由」としては、人間関係のつまずき、精神的な不調、就職活動での失敗などが多く報告されており、一概に「働く意欲がない」とは言えない実態がある。
2月10日は「ニート(2・10)の日」とされている。「ニ(2)ート(10)」という語呂合わせに由来する記念日で、若年無業者の問題を広く社会に認識してもらうことを目的として設けられた。ニートをめぐる議論は、個人の自己責任論に傾きがちだが、統計が示すのは60万人という長年変わらぬ規模感だ。その数字が意味するものを、この日に改めて考えてみるのもよいかもしれない。