ふとんの日 (記念日 2月10日)
江戸時代、綿の掛けふとんは遊郭でしか使われない超高級品でした。庶民が当たり前のようにふとんで眠れるようになったのは、明治時代も半ばを過ぎてから。そんな長い歴史を持つふとんを改めてPRしようと生まれたのが「ふとんの日」です。2月10日という日付は「ふ(2)と(10)ん」の語呂合わせで、全日本寝装具協会が1997年(平成9年)に制定しました。同じ語呂で10月10日も「ふとんの日」とされており、年に2回、ふとんに注目が集まります。
日本のふとんの歴史は古く、平安時代の貴族が使っていた「夜具(やぐ)」が原型とされています。江戸時代に入ると、綿花の国内栽培が三河・河内・摂津といった地域で急速に広まり、綿ふとんの生産が本格化しました。元禄年間(1688年ごろ)から遊郭を中心に普及し始めましたが、一般庶民には依然として高値の花。当時の庶民は、和紙を幾重にも重ねた「紙ふとん」や、稲わらを束ねたものを寝具代わりにしていたといいます。綿ふとんが庶民の家庭に広く行き渡るのは、明治半ば以降、国内の綿工業が飛躍的に発展してからのことです。
明治から大正にかけて、大阪・泉州や愛知・三河はふとん産地として全国に名をとどろかせ、製綿業や縫製業が地場産業として根を張りました。戦後になると化学繊維や羽毛が素材として加わり、軽くて保温性の高いふとんが次々と登場。防ダニ・抗菌加工も標準的な機能となり、寝具の品質は大きく向上しました。
天日干しでふっくらさせる習慣は今も根強く残っていますが、コインランドリーの大型乾燥機を活用する人も増えています。ふとんの日は、毎日の睡眠を支える寝具をじっくり見直す良い機会です。