ニットの日 (記念日 2月10日)

ニットの日

2月10日は「ニットの日」です。「ニ(2)ット(10)」の語呂合わせで、神奈川県の編み物教室・編み物学校が集まって組織した横浜手作りニット友の会が、編み物の普及を目指して1988年(昭和63年)に制定しました。その後、1994年(平成6年)には日本ニット工業組合連合会も全国的な記念日として制定し、業界を挙げてニット文化を広める日となっています。

そもそも編み物が日本に伝わったのは江戸時代のことです。スペインからキリスト教とともに南蛮文化が流入した際、編み物の技術も持ち込まれました。当時は編み物製品を「メリヤス」と呼んでいましたが、これはスペイン語で靴下を意味する「medias(メディアス)」が訛ったものとされています。庶民の間ではなかなか広まらず、長く上流階級や武家の衣類として扱われていました。

状況が大きく変わったのは明治時代です。国内初の機械式編み機が製造され、メリヤス産業が急速に発展します。明治8年(1875年)には機械編みの靴下が初めて中国へ輸出され、日清・日露戦争期には軍需品としての需要が急増。この時期を経て、ニット生産は日本の繊維産業の一翼を担うほど規模が拡大しました。

「ニット」という言葉が「メリヤス」に取って代わっていったのは戦後のことです。洋装化が進むにつれてセーターやカーディガンが一般家庭に浸透し、手編みが主婦層の趣味として広く親しまれるようになりました。1960〜70年代には手芸ブームが起きており、毛糸メーカーや編み物学校が各地で急増したのもこの頃です。横浜手作りニット友の会が誕生した背景には、こうした草の根の編み物文化の広がりがありました。

現在でも手編みの人気は根強く、SNSを中心に若い世代の間でニットクラフトへの関心が高まっています。2月10日は、寒い季節に温かな手仕事を見直す、ちょうどよいきっかけの日かもしれません。