絵手紙の日 (記念日 2月3日)
「ヘタでいい、ヘタがいい」――この一言が、絵手紙を特別な技術を持つ人だけのものではなく、誰もが楽しめる表現に変えました。絵手紙は、野菜や花などの身近なモチーフを描き、短い言葉を添えて送る手紙の形式です。書き手の体温がそのまま伝わるような素朴さが魅力で、1980年代後半から急速に全国へ広まっていきました。絵手紙の創始者は書家の小池邦夫で、昭和56年(1981年)、東京都狛江市の狛江郵便局で日本初の絵手紙教室を開きました。狛江市はこの歴史から「絵手紙発祥の地」を名乗り、現在も市内各地に絵手紙が展示される「狛江市まるごと美術館」事業を展開しています。マンホールや巡回バスにまで絵手紙が施された街は、全国でも類を見ない景観です。
小池邦夫が提唱したモットー「ヘタでいい ヘタがいい」は、上手に描こうとする力みを手放すことを勧めるものです。このシンプルな言葉が絵手紙の敷居を大きく下げ、NHKテレビ『趣味悠々』での放映をきっかけに絵手紙教室は全国各地に広がりました。現在も地域の公民館やカルチャーセンターで絵手紙教室が日常的に開かれており、老若男女が筆を手にしています。
「絵手紙の日」は2月3日です。「ふ(2)み(3)」と読む語呂合わせに由来し、東京都中央区日本橋に事務局を置く一般社団法人・日本絵手紙協会が制定しました。絵手紙をかいて送ることを世界中に呼びかける日として、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。季節の風物を描き、一言添えた小さな紙片が、受け取った人の暮らしにどれほどの彩りを与えるか。毎年2月3日は、それを確かめる一日でもあります。
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