VRの日 (記念日 2月2日)

VRの日

コンピューターが生成した仮想空間に「入り込む」感覚——それがバーチャルリアリティ(VR)の本質です。ゴーグルを装着した瞬間、目の前に広がる風景は現実とはまったく異なる世界に変わります。頭を動かせば視野が追従し、手を伸ばせば仮想の物体に触れているような感覚が得られます。この技術の普及と安全な体験環境の整備を目的に制定されたのがVRの日で、2月2日という日付は「バーチャル(バー=2)リアリティ(リア=2)」の語呂合わせに由来します。制定したのは、東京都中央区銀座に事務局を置く一般社団法人ロケーションベースVR協会で、日本記念日協会の認定も受けています。

VRの歴史は意外と古く、1960年代には映像と音響を組み合わせた没入型装置の原型が登場しています。1990年代にはアーケードゲームへの応用が試みられましたが、当時の技術ではハードウェアの重さや映像の遅延が課題でした。2010年代にOculus Riftの開発が始まると状況は一変し、コンシューマー向けVRが現実のものとなりました。現在のVRゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ=HMD)は軽量化と高解像度化が進み、家庭での使用も一般的になっています。

活用領域は急速に広がっており、医療分野では外科手術のシミュレーションや恐怖症の治療に用いられ、航空・軍事分野ではパイロットや兵士の訓練に実戦に近い環境を提供します。建築・不動産では完成前の空間を体験できるウォークスルーが普及し、「メタバース」の概念とともにVRへの注目がさらに高まった2020年代以降は、遊園地やショッピングモールに設置されたロケーションベースVRのアトラクションでも複数人が同じ仮想空間を共有できる体験が広まっています。協会が安全ガイドラインの整備を進める背景には、長時間使用による眩暈・疲労眼といった健康リスクや空間内での転倒事故を未然に防ぐ目的があり、VRの日は技術の可能性と安全な利用環境の両輪を意識するきっかけとして位置づけられています。