麩の日 (記念日 2月2日)

麩の日

麩(ふ)は、小麦粉に水を加えてこねた生地を水洗いしてでんぷんを取り除き、残ったたんぱく質成分「グルテン」を加工した食品です。植物性たんぱく質を豊富に含みながら低カロリーで、ヘルシーな食材として古くから日本の食卓に親しまれてきました。100gあたりのたんぱく質含有量は焼き麩で30g前後にのぼり、肉類にも匹敵するほどです。

麩が日本に伝わったのは室町時代初期とされ、明から渡来した禅僧が製法を持ち込んだといわれています。精進料理においてたんぱく質を補う重要な食材として重宝され、その後は京都の懐石料理や茶会の席にも欠かせない存在となりました。京都は豊富な地下水に恵まれており、麩の製造に最適な環境が整っていたことも、京麩文化が育まれた理由のひとつです。

麩には大きく分けて4つの種類があります。原料を茹でて仕上げた「生麩(なまふ)」はもちもちとした食感が特徴で、京都の名産品として知られています。原料を焼いて乾燥させた「焼き麩(やきふ)」は山形県が主要産地で、全国的に最も広く流通しています。東北地方(旧仙台藩地域)で親しまれる「油麩(あげふ)」は棒状の揚げ麩で、たまごとじ丼や煮物に使われる地域の定番食材です。さらに「乾燥麩」は長期保存が可能で、みそ汁の具として手軽に活用できます。

煮物や汁物での利用はもちろん、近年は麩を卵液に浸して焼く「麩フレンチトースト」など、スイーツ系のアレンジも人気を集めています。グルテンフリー食品が注目される一方で、麩はグルテンそのものを主原料としているため別の食材ですが、低カロリー・高たんぱくという観点から健康志向の食生活に取り入れやすい食品として改めて評価されています。「麩の日」は、協同組合・全国製麩工業会が1998年(平成10年)に制定した記念日で、毎月2日を「麩の日」として各地でPR活動が行われており、地域ごとに異なる麩の食べ方や魅力を全国へ広めることを目的としています。身近なようで奥が深い麩の世界を、ぜひこの機会に再発見してみてください。