おからのお菓子の日 (記念日 1月30日)
豆腐をつくる工程で豆乳を絞った際に残るかす、それがおからです。「残りかす」と聞くと粗末な印象を受けますが、その実態は大豆由来のタンパク質・脂質・食物繊維・ビタミンB1に加え、脳の記憶力を高めるとされるレシチン(ホスファチジルコリン)まで含む、栄養価の高い食品です。レシチンは記憶に関連する脳内物質アセチルコリンの前駆物質であることも知られています。
1月30日は「おからのお菓子の日」です。栃木県足利市に本社を置き、大麦を中心とした食品の製造・販売を手がける株式会社大麦工房ロアが制定し、2019年(令和元年)に一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されました。日付の由来は、おからに含まれる「イソフラボン(1)」「大豆サポニン(3)」「オリゴ糖(0)」の語呂合わせから1月30日に。同社は「3種の大麦おからクッキー」や「おからの大麦ダクワーズ」といったおから使用の菓子を製造・販売しており、これらを多くの人に食べてもらうことが記念日制定の目的です。おからの持つ栄養機能を菓子というかたちで日常に取り入れやすくする、という同社の姿勢が記念日の背景にあります。
おからには「卯の花」「雪花菜(きらず)」という別名もあります。「卯の花」は主に関東で使われる呼び名で、生け垣に咲くウノハナ(ウツギの花)の白さや形が似ていることからきています。「雪花菜(きらず)」は関西や東北での呼び名で、包丁で切らずにそのまま食べられることから「切らず」という言葉に由来し、雪のような風合いを表す字をあてたものです。どちらの呼び名も、「絞りかす」という直接的な表現を避けるために生まれたとされています。
「おから」という言葉そのものは、女房言葉(宮中に仕える女性たちが使った隠語的な言い回し)のひとつです。絞りかすの意味を持つ「から」に、丁寧語の「御(お)」を付けた形で、茶殻の「がら」などと語源が同じとされています。江戸時代には豆腐が庶民に広く普及し、おからも炒り煮や汁物の材料として日常的に使われていました。
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするとして、美容や更年期症状の緩和との関連が研究されています。大豆サポニンには抗酸化作用、大豆オリゴ糖はビフィズス菌のえさとなって腸内環境を整える働きが期待されています。これらの成分をまとめて手軽に摂れる菓子として、おからを使ったスイーツの需要は近年高まっています。