初荒神 (年中行事 1月28日)
兵庫県宝塚市の清荒神清澄寺(きよしこうじん せいちょうじ)では、毎年1月27日・28日に「初荒神」(初三宝荒神大祭)が行われます。平安時代の寛平8年(896年)、宇多天皇の勅願寺として創建されたこの寺は、宇多天皇から「日本第一清荒神」の称号を下賜された格式ある寺院です。最盛期には七堂七十二坊の荘厳な伽藍を誇り、近隣では「荒神さん」と呼び慣わされてきました。参道には飲食店や土産物店など多くの露店が軒を連ね、年の初めの縁日として多くの参拝者で賑わいます。
三宝荒神は、仏法僧の三宝を守護し、不浄を斥離(おんり)する日本特有の仏神です。火と竈(かまど)の神でもあり、清荒神のお札を台所の神棚に祀る風習が現在も続いています。縁日は毎月28日で、1月28日はその年で最初の縁日にあたるため「初荒神」と呼ばれます。
三宝荒神社は、清荒神清澄寺の創建と同時に鎮守神として境内の西の谷に建立されました。平安時代末期の治承・寿永の乱や戦国時代の有岡城の戦いで本堂が炎上した際も、三宝荒神社は被害を免れたと伝わります。その後、江戸時代末期に浄界和上が諸堂を再興し、現在の山容が形づくられました。昭和22年には「三宝三福」の教理に基づく真言三宝宗が開かれ、荒神信仰の総本山として新たな歩みを始めています。
28日の法要では大般若経転読が行われます。
大般若経転読とは、600巻にのぼる大般若波羅蜜多経を転じ読む法要で、その風を受けることで災厄を払うとされます。山伏・楽人による奏楽も奉納され、荒神信仰の古い形をとどめた祭礼として年の始めを告げます。荒神は不浄を嫌うことから、家の中で最も清浄な場所である台所に神棚を設けて祀るとされてきました。