仏壇の日 (記念日 毎月27日)
1300年以上前、天皇がすべての家に仏像と経典を置くよう命じた。685年(天武天皇14年)3月27日(旧暦)、天武天皇は「諸國の家毎に佛舎を作り、即ち佛像と経とを置きて礼拝供養せよ」という詔を下しました。この出来事が『日本書紀』に記録されており、「仏壇の日」の起源となっています。全日本宗教用具協同組合(全宗協)がこの故事に基づいて3月27日を記念日に制定し、その後は毎月27日にも拡大されました。この詔の解釈については現代でも議論があります。「家毎に」とある一方で、当時の庶民がどこまで対象だったかは不明で、有力豪族ごとに一つと解する説や、「諸国の家」を国衙(こくが)と読んで国ごとに一つと解釈する説もあります。いずれにせよ、仏教を国家単位で普及させようとした天武天皇の強い意志が読み取れます。壬申の乱(672年)で権力を握った天武天皇は、仏教を積極的に国家統治に取り込んだ天皇として知られており、この詔はその政策の象徴的な一つです。
仏壇とは、仏教において「仏」を祀る「壇」全般を指す言葉です。寺院内の須弥壇(しゅみだん)も含まれますが、家庭における仏壇は、木製の箱の内部に本尊・脇侍の像や掛軸、位牌、過去帳などを納めた独特の形式をとります。その内部は各宗派の本山寺院の仏堂を模した荘厳な造りが特徴で、金箔や漆塗りを用いた工芸品としての側面も持ちます。宗派によって様式が異なるため、浄土宗・真宗・禅宗・日蓮宗など各宗派に対応した専門の仏壇職人が今も各地にいます。
名古屋では毎年3月27日に名古屋仏壇商工協同組合が大須観音(宝生院)で仏壇供養祭を開催しており、古くなった仏壇を供養・焼却する行事が続いています。大須観音は名古屋市中区に位置する真言宗の寺院で、「日本三大観音」の一つとして知られます。現代においてはライフスタイルの変化や住宅事情から仏壇を持たない家庭も増えましたが、毎月27日の「仏壇の日」は先祖を思い、手を合わせる習慣を見つめ直す機会として設けられています。