求婚の日 (記念日 1月27日)

求婚の日

1883年(明治16年)1月27日、伊勢新聞と三重日報に、ある奇妙な広告が掲載されました。「先頃女房を離縁して不自由勝ゆえ、貧富を論ぜず、十七歳以上二十五歳にて嫁になろうと思ふ物は照会あれ」——中尾勝三郎という男性が出した、日本初の新聞求婚広告です。この広告に対し、近くに住む19歳の女性が応募し、めでたく結婚が成立しました。1月27日が「求婚の日」とされているのは、この出来事に由来しています。

当時は新聞そのものが普及し始めた時代でした。情報を広く伝える新しいメディアの登場により、従来の仲人を介した縁談とは異なる出会いの形が生まれたのです。中尾の広告は離縁という事情を正直に記しながら、年齢と貧富の条件だけを示すというシンプルさが特徴的で、読んだ側の19歳の女性が自ら応募したというのも当時としては大胆な行動でした。「求婚(きゅうこん)」とは結婚を申し込むこと、すなわち英語で言う「プロポーズ(propose)」にあたりますが、現代では指輪を用意してレストランで…といった演出が一般的になりました。明治の求婚が新聞の三行広告という実務的な形をとっていたことを思えば、結婚の意思を公的な場に掲示するという発想は、今日のマッチングアプリや婚活サービスとも通じる合理性を持っています。

関連する記念日として、ブライダルファッションの先駆者・桂由美が会長を務める全日本ブライダル協会が、6月の第1日曜日を「プロポーズの日」に制定しています。6月といえば「ジューンブライド(June bride)」という言葉があり、6月に結婚した女性は幸せになれるという言い伝えがあります。これはローマ神話において、6月が結婚と女性の守護神ジュノー(Juno)の月とされていることに由来します。求婚から結婚へ——その一歩を踏み出す日として、1月27日は日本の婚姻史に小さくも確かな足跡を残しています。