ホロコースト犠牲者を想起する国際デー (記念日 1月27日)

ホロコースト犠牲者を想起する国際デー

1945年1月27日、ソ連軍がナチス・ドイツの強制収容所の中でも最大規模を誇るアウシュビッツに到達したとき、そこに残されていたのは約7,000人の衰弱しきった囚人たちでした。解放の直前、親衛隊は約6万人の収容者を雪と寒さの中で西へ行進させており、脱落した者は即座に銃殺されました。この「死の行進」だけで1万5,000人以上が命を落としています。収容所には1940年から1945年の間に約130万人が連行され、少なくとも110万人が死亡したとされています。犠牲者の大半はユダヤ人で、ポーランド人、ロマ(シンティ)、ソ連兵捕虜なども含まれます。ホロコースト全体では、当時ヨーロッパにいたユダヤ人の3分の2にあたる約600万人が殺害されました。

ホロコースト(Holocaust)という言葉はもともとギリシア語で、ユダヤ教の宗教用語「燔祭(はんさい)」——生贄の動物を丸焼きにして神前に供える行為——を意味します。それが転じて、火災による大虐殺・大破壊・全滅を指す語となりました。ナチス・ドイツによる組織的大量虐殺を表す言葉として使われるようになったのは戦後のことです。

1月27日が国際デーに選ばれたのは、まさにこのアウシュビッツ解放の日に由来します。2005年(平成17年)12月、第60回国連総会の決議によって「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」として正式に制定されました。英語名は「International Holocaust Remembrance Day」、日本語では「国際ホロコースト記念日」とも呼ばれます。国連はこの決議の中で、加盟国に対してホロコーストに関する教育プログラムの開発を促しています。目的は追悼にとどまらず、将来の世代において同様の悲劇が繰り返されることを防ぐことにあります。現在もアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所跡地はポーランド・オシフィエンチムに保存されており、1979年にはユネスコ世界遺産に登録されています。毎年1月27日には世界各地で追悼式典が行われています。