郵便制度施行記念日 (記念日 1月24日)
1円切手に描かれた人物が、日本の郵便制度を作った男だとご存知でしょうか。
2月24日は郵便制度施行記念日です。1871年(明治4年)のこの日、「郵便規則」が制定されました。翌3月1日には東京・京都・大阪の三都市間で郵便業務が正式に開始され、日本の近代郵便制度がいよいよ動き始めました。
この制度を生み出した立役者が、政治家・前島密(まえじま ひそか、1835〜1919年)です。前島はそれまで民間の飛脚便に依存していた情報伝達の限界を見抜き、国家が運営する近代的な郵便網の創設を建議しました。その構想は画期的で、東京・京都・大阪にまず郵便役所を設け、その後、横浜・神戸・長崎・函館・新潟へと全国展開を進めるという段階的な普及計画を描いていました。
開業当初、東京と大阪の間を郵便物が届くまでに3日と6時間かかったといいます。現代では想像しにくい日数ですが、飛脚便と比べれば確実性と均一性では格段の進歩でした。料金も全国一律で定められ、誰もが等しく使える「公共のサービス」として設計されていた点が、近代郵便制度の本質的な革新でした。
普及の工夫も巧みでした。江戸時代に地域のまとめ役を担っていた名主の自宅を郵便取扱所として活用するなど、既存のコミュニティ構造を上手に取り込みながら全国へのネットワークを広げていきました。トップダウンの制度設計だけでなく、地域の実情に応じた柔軟な展開が、短期間での普及を可能にしたのです。
前島密の功績は郵便にとどまりません。日本語の統一を目指して「漢字御廃止之議」を明治天皇に上奏するなど、近代日本の基盤づくりに広く関わりました。その多大な貢献が評価され、前島の肖像は現在も1円切手に使われています。切手1枚に込められた歴史の重みを、ぜひ手に取って感じてみてください。
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